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モヤシを買う人は客単価が高い


 食品スーパーやGMSの食品売場で単価の低いものの一つに農産品のモヤシがある。価格は30円〜60円程度で、チラシに掲載されることも殆どない商品であるが、なんとそのモヤシを買った人の客単価は高いのである。
 下記は、同じ企業の4店舗の比較数値である。モヤシも種類が多いが検索対象は販売数の多い2アイテムである。

 
店舗
客単価
モヤシ購入客
 
客単価
モヤシPI
※PIは購入率を示したいために、複数点数購入した人も1点として計算したものであり、実際のPIはこれよりも若干高くなる。ただし、複数購入はあまりない商品であった。
 
A店
2,707
3,375
42.4
 
B店
2,517
3,868
46.5
 
C店
2,117
3,808
26.0
 
D店
1,919
2,810
32.9


 この結果から、モヤシを買った人の客単価が高いことと、客単価が高い店はモヤシの購入率が高いことが分かる。モヤシという商品は、チラシの訴求とは関係ないし、袋づめで蘇生できない(鮮度をごまかせない)商品である。つまり、モヤシの購入率の高さは、顧客の鮮度に対する評価なのだろう。実際に客単価の低い店では、在庫日数が長く鮮度劣化のモヤシが目についた。
 SP商品や単価の高い商品だけに目を向けるのではなく、消費者がどのような視点、ポイントで店舗選び、商品選びをしているかをよく考えるべきである。たかがモヤシ、されどモヤシ。

 現在のPOSシステムは、単品の把握はできるが、ウォルマートのように、その単品を買った人の客単価や同時購入商品まで分析できるバスケットDBは日本では少ないはずである。一般的には店舗のストコンから単品別集計したデータを本部に送信する仕組み。このデータは、分析のために別途DB化したものである。



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