戻る

六本木ヒルズ


 URL:http://www.roppongihills.com/

2003年4月25日にオープンした六本木ヒルズは、建築敷地面積は89,400平米、延床面積759,100平米の国内最大級の市街地再開発プロジェクトである。テレビなどで何度も取り上げられており説明の必要はないと思うが、開発コンセプトは

  “文化都心”をコンセプトとして、オフィス・住宅・商業施設・文化施設・ホテル・シネマコンプレックス・放送センターなど
  「住む、働く、遊ぶ、憩う、学ぶ、創る」といった多様な機能が複合した街


とあるように、都心型複合施設である。
 視察は2003年6月24日(火)であったが、平日でも10万人もの来街者だということで混雑を覚悟して行ったが、本当に10万人?と思った。まあ、複合施設でもあり、実際の来街者をカウントすることはできないのでこれ以上は詮索はしないが・・・。
さて、今回の視察は、六本木ヒルズを商業施設とし見てきたものであるが、正直言って歩き疲れただけで店舗をゆっくり見ることは出来なかった(と言うより、する気が起こらなかった)。
 店舗(ショップ)は、メトロプラザ、ウエストウォーク、ヒルサイド、六本木けやき坂通りの4エリアに120店舗以上あるが、巨大な敷地で4ヶ所のエリアでこの程度の店舗数であれば、商業施設としては物足りないように思う。広大なスペースに対して集積不足でありテナントミックスのミスマッチじゃないだろうか。

平日でも10万人だから凄い人の波?

歩いてみて感じたのは、一通り回遊するだけでとんでもなく時間がかかるということ。また、ビジネスのための来街者等と目的の相違する人の動線が交わるためか、ショッピングを楽しみに来るような施設の雰囲気はあまりしなかった。見る限りにおいて、来街はしても買物はあまりしていないように見えた。仕事柄、商業施設の視察は、買物をしたか否かは紙袋など手元を見るが、それらしい人は非常に少ないようだった。
 反面、飲食店は列の出来る店舗もあったが、それでも六本木けやき坂通りのデッキ(2F)など、遠くて回遊されにくいところなどは閑散としていた。
 
 施設側の定義している来街者と発表している来街者数が良く分からないが、巨大な再開発に複数の機能がある複合施設は良いと思うが、オフィス・ビジネスゾーン、ショッピングゾーン、ハウジングゾーンと明確に区分けした方が良いように思う。特に、ショッピングゾーンは集積力・テナントミックスが集客及び買上に直結するだけに、4エリアに分散させたためにどのエリアも中途半端な集積でありショッピングはしにくい。各エリアを回遊するのは来街回数が少ない間だけであり、リピート段階になると位置的に不利なエリアでは売上は厳しくなるのではないだろうか。
 あと、気付いたのは視察目的の人が多いこと。多分、地方自治体などの職員やそれに類するような人だと思う。東京という巨大都市の再開発を見て何を参考にしようとしているのだろうか。今後、地方でも複合施設の開発が増えそうな気がする。




戻る