『奈良市内の商店街の通行量調査の記事』について

 奈良新聞 2003年1月24日の記事に奈良市内の商店街の通行量調査の結果があった。下記がその記事である。


小西通北側がトップ 西大寺東は2割減で4位(前年度1位) 奈良の商店街通行量調査

 奈良商工会議所は奈良市内の商店街の通行量を調査し、23日までに結果をまとめた。最も通行量が多かったのは小西通商店街北側(UFJ銀行東側)で前年度比19.0%増え、2位から順位を上げた。一方で前年度トップだった西大寺東商店街(三井住友銀行西側)は20.8%減少し、4位に落ちた。上位5位の順位が大きく変動した。同会議所は、調査日の気温や1昨年の米中枢同時テロによる国内旅行増など、特殊要因が考えられると分析している。
 調査は8月4日日曜日と五日月曜日の2日間、奈良市内の主要11商店街の18地点で、午前10時から午後6時まで実施した。天気は両日とも晴れ時々曇り。
 18地点の2日間の通行量総数は26万5471人。前年度比1万3060人(4.7%)減少した。
 2日間の通行量総数が最も多かった小西通商店街(UFJ銀行東側)は3万1458人。2位は東向商店街(経済会館前)の2万7863人(0.7%減、前年度2位)、3位が三条通ショッピングモール(ダイエー前)の2万6761人(43.4%増、同7位)、4位が西大寺東商店街(三井住友銀行西側)の2万5231人(20.8%減、同1位)、5位が東向商店街(南都銀行本店東側)の2万4051人(8.4%減、同4位)の順だった。
 前年度比増加率が最も大きかったのは、三条通ショッピングモール(ダイエー前)。一方、減少率が最も大きかったのはパラディ学園前(陸橋北側)で45.2%減。18地点のうち、増加したのは8地点、減少したのは10地点。
 奈良ファミリーへの買い物客が多い西大寺東商店街(三井住友銀行西側)の減少について同会議所は、調査日が猛暑で、通行量が調査が終わる午後6時近くから増加していることを挙げる。
 また、近鉄、JRの両奈良駅周辺で通行量が増加したことについて、米中枢同時テロの影響で、修学旅行や観光旅行が国内に移動したためではと分析している。

 さて、ランクや通行量は別として、調査時間が午後6時までとはいったいどういった根拠なのだろうか。多分、過去の年度と比較するためであろうが、多くの大型店、専門店が9時や深夜まで営業しているのである。ライフスタイルも大きく変わっているのになぜ6時で調査を終えるのか。これでは通行量調査をする意味がないだろう。
 しかし本当の理由は、商店街の店舗の閉店時間が7時頃までと早く閉店するからだろう。中には6時には閉店する商店もあるから。だからそれ以降の時間は意味がないという事なのだろう。まあ、実施する側も本来の目的を忘れた官僚的・前例主義なんだろう。
 私も大型店舗出店の影響度調査のために、かなりの通行量調査を実施してきた経験があるが、調査時間は午前9時から夜9時が普通である。
 今の消費者のライフスタイルを考えるなら、商店街全体が現状の閉店時間のケースと午後9時まで全店が営業した場合(事前告知しておく)とで調査をし、その集客力の差異を知りたいと思うが。また、このような通行量の多い商店街の多くには大型店舗もあり、それと閉店時間を合わせることで集客力は高まるはずである。

 奈良市では、東向商店街と小西通りで実施したことがある。もう随分前のことでデータはないが、通行量は減少しているように思う。この2商店街の通行量は観光客の入込数にも影響されるため、観光客数と買物客数の双方が減少しているのではないだろうか。
 小さな商店街でも通行量調査や来街者へのアンケート調査などを定期的に実施すべきであろう。曜日別・時間帯別・季節・天候・イベントの有無などの変化要因によって客数がどう変わるのか知るべきである。費用も商店街が自ら負担すべきであり、そんなにコストのかかる調査ではない。

 1日当たりの調査人件費
   調査地点2箇所×調査時間12時間×時給1500円=36000円
   調査の管理および集計は商店街組合ですれば良い。集計はエクセルで簡単にできる。
   あと、各店舗の客数(買上客数)、売上高を加味すれば相当なデータとなる。

 顧客を忘れた商店街に明日は無い。また、自らのためにおこなうものは自ら費用を負担すべきである。
 



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